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ともに病を乗り越えた 患者さまの声 Vol.1

2019年08月28日

闘病しながら元気を届ける
「平成の花咲か爺さん」

平良榮昌
長寿のかげに辛い闘病生活

昨年、御年百歳を迎えられ、敬老の日には、自宅を訪問した豊橋市長と豊橋市社会福祉協議会会長から長寿のお祝いを受けた平良さん。健康そのものに見えるが、長年、重篤な心臓病と闘い続けている。

今から30年程前、心筋梗塞を患い、旧国立療養所豊橋東病院に救急搬送されたのがその始まりだった。そこで、副院長を務めていた鈴木孝彦(現豊橋ハートセンター院長)と出会った。「強烈な痛みと苦しさを感じて、本気で死を覚悟しました。その時、鈴木院長が『必ず治してあげるから心配せんでいいでね』と力強く励ましてくれましてね。その言葉が生きる活力になりましたよ」。

以来、平良さんは鈴木院長に絶大な信頼を寄せ、豊橋ハートセンターが開院してからもずっと通い続けている。「年に1~2回、心筋梗塞の発作が起こり、その度に鈴木院長に助けてもらっています。鈴木院長は、時に激しい言葉を使うけど、同時に細やかな気配りのできる本当に心の温かい方です。長い人生の中でも、こんな素晴らしい方に出会ったことはないです。私にとって鈴木院長は神様ですね」。

病と闘う力を与えてくれる故郷の桜

平良さんは沖縄県大宜味村の出身で、20歳の時に応召されて村を離れた後、開拓民として豊橋市老津町に入植した。そんな平良さんの心の支えとなっていたのが、故郷の沖縄県に咲く「緋寒桜(ひかんざくら)」という特殊な桜であった。緋寒桜は2月下旬から3月にかけて開花する早咲きの桜で、花弁が鮮やかなピンク色をしている。平良さんにとっての緋寒桜は、沖縄の大自然の象徴であり、元気を呼び起こす源でもあった。

「辛い闘病生活が続くと気弱になりますが、そのたびに緋寒桜を思い出していました。そんなことを繰り返している間に、なんとかしてこの美しい桜を、お世話になった東三河の方々にも観てもらって、元気を分け与えたい、と思うようになったんです」。

平成の東三河に千本以上を植樹

そこで平良さんは、当時沖縄県の林務試験場で場長を務めていた義理の弟さんに育苗の方法を教わり、自宅で苗を育て始めた。何度も失敗を重ねたが、開始から数年後、ついに東三河の3か所で植樹に成功した。

それから20年。

その数は増え続け、今では東三河全域に千本以上の緋寒桜が咲き乱れている。中でもひときわ美しい色の花をつけるのが、豊橋ハートセンターの入口に植えられている1本だ。開花の時期には多くの患者さまを元気にしている。また夏になると、平良さんは自宅で栽培した沖縄野菜のゴーヤを院内で配ることも欠かさない。緋寒桜とゴーヤは、鈴木院長に対する感謝の気持ちを表したものなのだ。

「最後に、豊橋ハートセンターへの想いをこめた句を詠みます。開院20周年を迎えられたこの病院が、今後益々発展して、地域のため、社会のために活躍してくれることを願っております」