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ナースBLOG Vol.6

心温まる看護の実現に向けて

2022年04月06日
みなさま、当院の病院理念をご存じでしょうか?
~皆様の命と暮らしを守るため心温まる医療に努めます~

わたしたち看護部は病院理念に沿い、心温まる看護の実現を目指しています。2021年度は看護部目標のひとつとして、「心温まる看護の実現のため、各部署でのカンファレンスを充実させる」として、カンファレンスの充実に取り組みました。

先日、1年間の取り組みの集大成として「心温まる看護の実践報告会」というものを開催しました。各所属を代表し、カンファレンスを通して心温まる看護に繋がったと思う事例の発表会です。COVID19 第6波の最中、感染に留意しZoomでの配信となりました。
私たちの心もほっかほかになったこの会の様子を、一部ご紹介いたします。

外来部門
『心不全患者の退院後の関わり ~外来心不全介入と訪問看護~』    外来は毎日200人以上の患者さまが受診され、カンファレンスを開催することが難しい部署ではありますが、病棟から外来→その後訪問看護へと連携し心不全指導を行っている事例を紹介いただきました。心不全は悪化、再入院を繰り返さないことが大切です。患者さまの家で過ごしたいという希望に寄り添いながら、患者さまの生活を知るところから始まり、生活の場で、生活や患者さまに合わせた心不全指導の実際を知りました。

超高齢化により心不全パンデミックが訪れると言われるこの時代、循環器専門病院として病棟・外来・訪問看護と更に連携を強化し、常に人を看る気持ちを大切に、療養を支えていきたいと思います。
安静室部門
当院の安静室をご存じでしょうか?カテーテル室の近くにあり、主にカテーテル検査や治療を受ける患者さまの治療や検査の前後をサポートするお部屋です。治療や検査の多い日にはベッドも満床近くなりますが、今年度から安静室で病棟の患者さまの透析を行えないだろうかと尽力した過程を振り返り発表がありました  病棟だけでは透析用のベッドが不足し透析開始が遅くなってしまうこと、緊急入院患者さまの受け入れに影響してしまうことなどの改善策として、自分たちの部署が患者さまのためにできること、仲間のためにできることを考え、カンファレンスを重ね、透析実施の受け入れが実現しました。私たちの仕事は業務ではなく、常に患者さまやそのご家族につながる心が通ったものであること、まさに心温まる仕事をしていきたいと感じました。
病棟部門
A病棟は、「ACPの重要性を学ばせていただいた事例」と、「本人・家族の想いに沿うことができ、最期を迎えられた事例」の2事例の紹介がありました。  ACP(アドバンスケアプランニング)とは『人生会議』と訳されることもあります。将来の変化に備え、周囲の人達とともにその人らしい生き方について考え、意思決定を支援するプロセスのことをいいます。患者さまの苦痛を早く取り除いてあげたいけどできないというジレンマ・心残りのある事例をしっかり振り返り、皆でACPを学ぶ良い機会となりました。2事例目はカンファレンスを行っていたことで、「自宅へ帰りたい」という患者さまの想いの実現が円滑にいった事例でした。コロナ禍で面会制限のあるなか、どうご家族に本人の状態と意思をうまく伝えていけるか、オンライン面会など活用しながら思いをひとつにすることができました。
B病棟からは、「家族を想う気持ちに寄り添って」というテーマで、長期に入院されていた患者さまに寄り添った看護の様子を、患者さまの笑顔の写真とともに紹介してくれました。「家に帰りたい」「妻と一緒に暮らしたい」という患者さんの目標に向けて、食事・保清・整容・家族とのつながり等ひとつひとつ大切に取り組む姿は、まさに看護の基本を大切にした心温まるものでした。
C病棟は、術直後の患者さまなどを担当する急性期病棟です。今回は術後の疼痛コントロールに苦慮した事例のカンファレンス・取り組みについて発表がありました。カンファレンスを通し、痛みのケアは重要な術後看護であることを再認識し、痛みを緩和するための方法をスタッフ皆で知恵を出し合い考えました。痛みを感じる前に鎮痛剤を使用することや、即効性+持続性のある鎮痛薬の使用の仕方、鎮痛剤以外にも痛みを感じにくくするための関わりに取り組みました。術後を乗り越えた患者さまから後日感謝のお言葉を頂き、患者さまがいま抱えている問題に真剣に考えて取り組むことの大切さを再確認しました。
発表を通して

どの発表も私たちの心も温まる学びの機会でした。また他部署の看護実践を知るとても良い機会になりました。今後も、時には看護を語る場も大切にしながら、心温まる看護を目指していきたいと思います。